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口腔外科治療
静脈内鎮静法(点滴麻酔)
静脈内鎮静法について
静脈内鎮静法(点滴麻酔)とは鎮静薬を静脈内に投与しリラックスした状態で治療を行う方法です。処置に対する不安や痛みへの恐怖心を緩和する効果があります。全身麻酔と違い意識下で半分寝ている状態になります。受け答え等の反応ができるため比較的安全に処置が行えます。
当院では比較的長時間の治療を要する処置、インプラント治療や多数歯に及ぶ親知らずの抜歯、恐怖心の強い患者様へ対応しています。
静脈内鎮静法を行う場合の注意点
- 眠気やふらつきを生じる可能性があるため症状が落ち着くまでクリニックにてゆっくり休んでいただきます。
- 使用薬剤にアレルギーがある患者様には処置が行えない可能性があります。
- 車や自転車等の運転を控えていただきます。
- 当日は帰宅後の安静をお願い致します。
矯正治療に伴う抜歯および外科処置
当院では矯正治療に伴う外科処置に対応しております。
矯正医の診療情報提供書および依頼に基づき処置をおこないます。
便宜抜歯
便宜抜歯とは矯正治療に伴い抜歯が必要となった歯を抜歯することです。
萌出困難な歯牙に対する開窓術
歯の位置異常や歯の萌出遅延により顎骨内に埋伏した状態の歯を矯正治療により牽引する処置が必要になる事があります。
その際に埋まっている歯の歯肉を切開し歯の表面を露出させる処置を開窓術といいます。
上記の処置については矯正医の診断および治療方針に基づき処置を行う為、診療情報提供書のご持参をお願い致します。
粘液嚢胞 (mucose cyst)
粘液嚢胞は、小唾液腺から分泌される粘液の流出障害によって生じる疾患です。多くは誤咬などの反復性の外傷、習癖によって唾液腺の導管が障害されことによって粘液が結合組織内に貯留し嚢胞を形成します。
好発部位は下唇、頬粘膜などで、小唾液腺に関連して発生する粘液瘤(mucocele)といいます。舌下腺から分泌された唾液が口腔底部に貯留して生じる粘液囊胞をラヌーラ(ガマ腫)といいます。
粘膜面に5〜15mm程度の小囊胞で無痛性、波動をふれます。
粘液囊胞は自壊と再発を繰り返します。
治療法
囊胞周囲の周辺組織を含めて摘出をおこないます。
大きいラヌーラは囊胞の一部を開窓する開窓術を行う場合もあります。
唾石症 Sialolithiasis
唾液腺は唾液を作る組織で大唾液腺、小唾液腺に分けられます。大唾液腺には耳下腺と顎下腺、舌下腺があります。
唾液腺の中や導管の中に石(唾石)ができることによって生じる病気で、ほとんどは顎下腺に生じます。唾石は砂粒大の小さなものから数cmに及ぶものまでみられます。
唾石の原因は導管の炎症や唾液の停滞、さらに唾液の性状の変化などです。
唾液がでる食前から飲食時にかけて、唾液腺のある顎下部の腫れ(唾腫)や激しい痛み(唾仙痛)がおこります。しばらくすると徐々に症状が消退するのが特徴です。
治療法
治療法は唾石の大きさと部位により異なります。唾液腺開口部付近の小さい唾石は自然に流出し改善する場合もあります。唾液腺の導管内にある唾石は口腔内より切開を行い唾石を摘出します。
顎下腺体内にできた唾石は腺体ごと摘出をおこないます。
腺体の摘出が必要な症例については全身麻酔下での加療となるため大学病院等へのご紹介となります。
舌強直症 ankyloglossia
舌小帯短縮症とも呼ばれ舌の下にある筋(小帯)が太く短いものをいいます。
舌の運動範囲が制限され舌尖の挙上や前方への挺出が困難となります。
発音障害、哺乳障害をきたす場合があります。
治療法
舌小体を切離して舌が進展しやすくなるように舌小帯形成術を行います。
周術期口腔機能管理
医科歯科連携について
当院では、がん治療をはじめとする手術治療を実施する医師との連携の下、患者様の入院前から退院後を含めて一連の包括的な口腔機能管理を行っています。
気管挿管時のトラブル回避
全身麻酔手術による気管挿管時のトラブルとして前歯部の歯牙の破折や補綴物の脱離があり、麻酔医や主治医が意図しない誤嚥を起こす場合があります。歯科医師の術前の診察および治療により該当歯の暫間固定、抜去、脱落防止用のマウスピースを作製する事によってリスクを最小限にとどめることができます。
移植手術および人工物留置後の感染予防
心臓の人工弁や人工関節などのインプラント埋入手術では口腔細菌による遠隔部位感染(RI remote infection)の対策が必要となります。口腔内細菌に関連する合併症の対策は医科のみでは困難であり、歯科医師、歯科衛生士による口腔機能管理によりプロフェッショナルクリーニングとしてバイオフィルムの物理的除去、さらに顎骨内感染源の除去を実施します。
術後肺炎
術後肺炎の原因は手術時の人工呼吸器管理時に挿管チューブの外側からカフをすり抜けて気管内に流れ込んだ口腔内細菌が人工呼吸の加圧で末梢気道に運ばれることや半回神経麻痺や嚥下機能低下に伴って口腔内細菌が気道内に進入することが原因とされています。
口腔機能管理は、歯垢、舌苔の除去、口腔内保湿などにより口腔内の衛生環境を改善し間接的に誤嚥性肺炎を予防する効果が知られています。人工呼吸関連肺炎(VAP)の予防にも原因菌を減少させる口腔機能管理が有用であることが大規模無作為化試験にて証明されています。
術後早期経口摂取の開始
術前、術後の口腔機能管理により、口腔粘膜への対応、義歯調整等を行うことによって、早期経口摂取の可能性が見込まれます。
早期経口摂取が可能となると術後体力の早期回復が上げられますので、早期退院・在院日数の削減にもつながります。
当院では現疾患の支持療法となるべく、周術期口腔管理を行っております。
地域医療機関さまとの医療連携および周術期管理につきまして、ご質問等ございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
